- 作者: 小林よしのり,宮台真司,東浩紀
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/10/15
- メディア: 新書
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宮台真司がまくしたて、小林よしのりがときおり新しい視点を入れ、東浩紀がまとめるという構図。
宮台真司の言葉がとにかく汚い。クソクソ言い過ぎ。巻末で一種の炎上商法と説明しているけど、のべつまくなくクソクソいっているのでインフレを起こして、どこがいちばんだめなのかが伝わらない。そのせいで話している内容も単に不平を言っているような印象が残ってしまう。もったいない話。
一番記憶に残ったパラグラフ。いずれも東浩紀。
ところが、いまはその「大衆を信じる」ことこすが完璧に機能しなくなった。というよりも、大衆を信じると、そのままグローバル化や資本主義を肯定せざるを得ないような状況になってきた。そこがいまの知識人にとってじつに厄介な問題になっていると思います。たぶんそれは保守も同じです。そもそもこの国では、知識人は、右も左も、ハイカルチャーもサブカルチャーも、なんとなく最後は「大衆を信じる」で落としてきたところがある。
とそこがいまはそうはいかない。そうすると保守も革新も足場を失うから、極端化せざるをえない。保守だったらネトウヨ化や排外主義が強くなってくるし、革新も言っていることが空理空論化して来る訳ですよ。
それはわかっていますが、この国では、知識人が自分の主張の正しさを測る基準として大衆があったと思うんです。
ただ、ネトウヨ化、排外主義化、空理空論化といった極端化って、大衆の呪縛から離れなれないから起こるのではないかと思う。大衆って元々そんなもんで、高度成長期が例外の時代だったのではないかともう。