筒美京平先生の10選

　いつかはくることとはいえ、京平先生が亡くなった。あまたの曲の中で自分なりの10曲を選んで見た。

色は匂へど / ちあきなおみ

　ちあきなおみが芸能人として活動していた再末期に近い時代の作品で、主演ドラマのエンディングにも使われてた。とにかく素晴らしいとしかいいようがない。この曲が収録されているアルバムも傑作。

かげろふ~色は匂へど~

やめないで、PURE / KINKI KIDS

　Kinki KIdsが満を持して京平先生と組むことになったら大傑作が生まれたと。当時近田春夫が聞き飽きることがないとかいうような意味のコメントをしていて、共感した。

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哀愁トゥナイト / 桑名正博

　桑名正博・筒美京平・松本隆プロジェクトでは大ヒット曲「セクシャルバイオレットNo.1」が有名だけど、桑名のボーカルが最も生きているのはこの曲だと思う。
　この曲や「セクシャルバイオレットNo.1」が収録されているアルバム「Communicacion」の歌詞カードには当時としては超貴重な京平先生の姿が写っている。

Communication

その後で殺したい / SHOW-YA

　寺田恵子のボーカルのいいところをいきなりAメロで持ってくる職人芸。「水の中の逃亡者」も名作。

その後で殺したい

強い気持ち・強い愛 / 小沢健二

　京平先生は作曲もできる人と組んだ時に本領が発揮されると思うが、これはその典型。ファンクの要素をふんだんに盛り込みながら当時の日本の流行歌の流れの中に置いている。
　でんぱ組incのカバーもうきうき感があって素敵。

強い気持ち・強い愛

美貌の都 / 郷ひろみ

　この曲の別アレンジがラストに収められた「比呂魅卿の犯罪」は多くのクリエーターの参加した、日本の歌謡曲史上屈指の名盤だと思うけど、その中でも群を抜いていて、まるで他の曲が「美貌の都」の前座のよう。
　詞と曲、どっちが先だったんだろう。

比呂魅卿の犯罪

摩天楼ブルース / 東京JAP

　冒頭のパーカッション、その後のサキソフォンのかっこよさ。たぶんサキソフォンのメロディは京平先生の作曲だと思う。
　A'メロディが盛り上がっってサビに行くのかと思わせておいて、Bメロディ前半でいったん下げて再度盛り上げて、京平先生お得意のつなぎを入れてサビに持ち込む展開、もう完璧。

TOKI色外人倶楽部

バラードのように眠れ / 少年隊

　少年隊には名曲が多くて、「stripe blue」も同じくらい好きなんだけど、あえて一つにするならこの曲。

BEST OF 少年隊

絶望グッドバイ / 藤井隆

　冒頭から「愛のコリーダ」でニヤリとする。京平先生は他にも「ごめんよ涙」「ギンギラギンにさりげなく」と「愛のコリーダ」ベースの曲を作っていて、好きなんだなあと。
　改めて聞くと藤井隆の声がなんとも切なく、少しハスキーな高音部の魅力を引き出している。
　「関ジャム」で「藤井隆が歌いにくいと行っていた部分の歌詞を京平先生の口添えで書き換えることになった」というエピソードを紹介していた。京平先生の人となりを伝えるエピソードとして紹介されたけど、歌手が本職ではない藤井隆がそこまでこだわって歌っていたということの方に感銘を受けた。

絶望グッドバイ

JOY / 石井明美

　ろくにヒットもしていないのにカラオケで歌いまくられていた曲。たぶん今もけっこう歌われているだろう。
　「CHA CHA CHA」の後のシングル「響きはtutu」もかなりの名曲だった。

JOY