天皇は今でも仏教徒である / 島田裕巳

天皇は今でも仏教徒である (サンガ新書)

天皇は今でも仏教徒である (サンガ新書)

 明治維新までは天皇家は仏教徒だった(というか神仏混淆だった)のは常識の範囲だけど、明治以降も皇室、特に皇后は仏教の信仰活動をしていたのは意外。
 戦後、特に平成の天皇について、仏教的な部分を感じて指摘しているのはさすが宗教学者と言うべきか。

 あとこの本で大事なのは「神道はそもそもが儀式であって、本来宗教的要素は低い」ってこと。

仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか / 鵜飼秀徳

仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか (文春新書)

仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか (文春新書)

 タイトルの「なぜ?」に関しての答えは「保身のため」という結論。連綿と続く仏教施設が個人の保身のために破壊しつくされたとか、むなしい。「われわれの信仰と相容れないから壊す」という勢力に壊された方がまだ諦めがつくってもんだ。

戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道 / 筒井清忠

戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道 (中公新書)

戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道 (中公新書)

 「軍部の言論統制で日本は戦争に突入した」っていうのが作り話だというのは知っていた。日比谷焼打事件に始まる新聞の煽動とそれを望んでいた大多数の国民がいたわけで。
 この本ではその間をつなぐいろんな事件を紹介している。今話題の金子文子の事件も出てくる。
 要するに民主主義ってのは難しいってこと。

トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち / 藤原辰史

トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち (中公新書)

トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち (中公新書)

 前から読みたいと思っていたのがやっとでkindle化。まいどの中公新書。

 トラクターがなければソビエトを維持することもできなかったんだろうなと考えると、冷戦はトラクターがもたらしたとも言えるな。

 どんな時代でも、一部の新しもの好きと大部分の懐疑派に別れるんだなというのもわかる。

プロテスタンティズム - 宗教改革から現代政治まで / 深井智朗

プロテスタンティズム - 宗教改革から現代政治まで (中公新書)

プロテスタンティズム - 宗教改革から現代政治まで (中公新書)

 ルターの宗教改革って当時のラディカルかと思っていたんだが、意外と穏健派だったのは意外。

 プロテスタントの国家アメリカでコンサバティブとリベラルという対象的な考えがあるのもなんとなく納得できた気がする。